カリキュラムはどう作っているの?第三回「すご美」制作検証会

2月18日(日)第三回「すご美」制作検証会が開催されました。
今回のご参加は、小原京美さま「アトリエ・ミオス」を経営されていらっしゃいます。
250名の生徒様を指導されているそうで、アトリエの様子などお伺いできるのを楽しみにしておりました。

今回の検証は「小学生:絵を描く道具をつくろう」試し描きの様子。マティスの長筆ってどう?小原様から「上手い下手が出にくく、子どもはとても楽しみます」と素敵な助言をいただきました(*^^*)

今回も場所がわかりにくく、道に迷われてしまったそうです。本当に申し訳ありません。
地図を詳しくしたり対策はしているのですが、どこかわかりやすい場所でお待ち合わせなどがいいのかな。。今後の課題と致しますm(_ _)m

小原様は最初少し緊張気味でしたが、お子さんや保護者様と日々の活動をされているからでしょうか、すぐにリラックスされた様子で検証会に加わっていただきました。このカリキュラムは過去にアトリエのお子さんと経験済みだそうです。小学生のお子さん80名と遠足で葦を取りに行き、その葦で絵を描く体験をやっています、割り箸の先を潰して絵の具に一晩付けておくことでフェルトペンの様にずーっと色が出るペンになりますよ〜など、試してみたくなるアイデアもたくさんいただきました。私達もこのカリキュラムは10年位前に行ったことがありますが、久しぶりなため一から・アイデア出しから始めます。

いろいろ試していくと、今ある道具「筆ってすごい!」ことがわかります。
昔はどんなもので描いていたのかな?
指も絵を書く道具になるね、たくさんの子どもとのやり取りが浮かんできます。
目的は道具の歴史を知ることになるかな?西洋と東洋との違いもあるし、時代によって変化する様子を伝えるにはどこを切り取っていくか。
私達がまず学んで行かなくては子どもにも保護者にも語ることはできません。
会の講師が自宅から持ってきた犬の毛が意外と楽しく描けたのですが、アレルギーの問題もあるし教室で取り入れるにはハードルがあるね、どうお伝えしていけばいいかな?などなど検証しながら目的や実践での問題点を話し合っいきます。

芸術による教育の会の全てのカリキュラムは、講師陣がたくさんの方向から検証し、過去にやったことのあるカリキュラムだとしても「今の子どもたち」に何が必要か、どんなことを学ばせるかを真剣に考え手作りされています。教科書通りのやり方も知った上で、リアルな現場での活かし方を探っていきます。

今回の検証はいわば机上の空論、次はリアルな子どもたちの反応を見る「おためしレッスン」に移っていきます。一度教室で子どもと試してみて、その結果の報告を得て再度別教室で試します。リアルな教室で試すことで子どもの反応(目線、気持ち、発言、手の動き)を感じることができます。昔はこれでうまくいったけれど、今の子だと反応が鈍いな、と思うこともありますし、お試しレッスンで再検討になる場合もあります。これでは難しすぎる、もっと簡単にと思うこともありますし、子どもの反応から指導方法をガラリと変えることもあります。2月に6月の検証を行っていますから、4月の学校の年度替わり後に、教室の子どもの雰囲気が全く違うことを加味しながらカリキュラムを作り上げていきます。

過去のデータと現在を融合し、新たなカリキュラムを作り出す作業を毎月行います。毎回新しいことへのチャレンジを続けています。アーティスト集団はあきっぽい(笑)同じことの繰り返しでは飽きてしまう私達ですが、こうして芸術による教育の会の講師を長く続けていけるのは、このように変化を大切にしているからではないかと思います。

ゲストの小原京美さま 「具体的な作品を描かせるといいかな」とヤマアラシ。

小原様からはこんなお悩み相談も・・「アトリエを経営していると講師の仲間たちとの意思疎通、新人育成に悩みます。」私達も新しい仲間が増えた時、沢山のカリキュラムを行う上で一つ一つ伝えていく大変さを感じていました。WEBで情報を共有してしまおう・動画ってすごい・直に伝わる力がある!そんな経験から「すご美」を作ってきました。今も一番の目的は仲間のためのツールです。レッスン報告でお互いの教室の様子を知り、悩みも共有しています。小原様にはカリキュラムの提供というより、教室を運営していく上で思いを共有できる、気楽にお話できるような関係になることで何かお役に立てるのではないかと思いました。

素敵なアイデア、リアルな現場のお話などとても興味深く聞かせていただきました。
小原様ご参加どうありがとうございました。




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PROFILE

つぶつぶ先生
つぶつぶ先生
橋本円(はしもとつぶら)つぶつぶ先生です。
静岡県出身:40代
美術教室の先生として20年以上経ちました。武蔵野美術大学短期大学部(があったころ)美術科卒です。大学サークルアトリエちびくろのOGです(^^)
同郷の友人がすごく楽しそう活動しているのに魅かれてサークルに入りました。自分の思い出作りとして参加させてもらいましたが、子どもって面白い!そして、一緒に楽しむことを教えてもらいました。そのまま子どもと活動することの楽しさをもっと追求したくなり、現在も活動を続けているのかなと思います。
芸術による教育の会で子どもの指導を続ける中で、アート活動は子どもにとって大切な教育であると真剣に考えるようになりました。自分の子どもの育児においても、芸術による教育の会の理念は素晴らしく、仕事をする中で得た知識がとても役に立っていると感じています。アート活動が子どもにどんな影響がありどのように大切なものなのかを、子どもに関わるすべての大人に伝えていく使命があると思っています。