明日への手美術展の開催にあたり
「絵には魔法の力があります」
絵には自分の心が溶け込んでいます。 辛い心、悲しい心、怒りの心〜〜が溶け込む。 だから絵を描くと、心がすっきりするのです。 自分の心が溶け込んだ絵を眺めていると、新しいエネルギーと勇気がわいてきます。 ふっきれるのです。 
絵には魔法の力があるのです。
これから大きくなるにつれて、いろいろなことがあります。楽しいこともありますが、辛いこともおおくなります。 つらい時、苦しい時には夢中で絵を描いてください! きっと困難が乗り切れます。

絵はいくつになっても楽しく描けます。 病気をしても、年をとっても〜〜 他の趣味とはちがって体力に関係がありません。 いつも身近において、生涯の友達にしてください。
芸術による教育の会の美術は、実は総合学習なのです。

小学校や中学校ではゆとり教育の目玉として、総合学習が取り入れられましたが、学校ではゆとり教育が失敗しました。 しかし実は総合学習はとってもすぐれた教育なのです。 
総合学習とは、知情意つまり人格をバランスよく育てることが目的です。 総合学習には実は美術が最も適しているのです。
情: 絵は心の排泄物とも言われていますが、絵を描くことで情緒を安定させます。
知: 一つの目標に向かって、知識や経験を総動員させ、デザイン性を加わり、試行錯誤を納得がいくまで繰り返します。完成の喜びだけでなく、そのプロセスがその子供にとって血となり肉となります。 つまり、美術はものづくりそのものなのです。
意志: 自己主張、自己表現です。社会人になるためにはこれが一番重要なのです。
絵は自己表現のかたまりです。自分の心を表現する場なのですから!

芸術による教育は、美術を手段して子供たちの心を育み、生きた知能を育むことを目的にしています。
親が子供に願うこと。 それは「なんとか長い人生を生き抜いてほしい」 これにつきます。 挫折しても立ち上がってほしい。上手にストレスを発散してほしい。新しい環境にうまく適応してほしい。
これはつまり、「困難にぶち当っても、何とかしてほしい。なんとかする力」を身に付けてほしい、ということです。 底力です。 これがあれば、人生を堂々と歩いて行けます。
芸術による教育の会の目的は、まさにここにあります。
柔軟な思考力という表現をしていますが、実は「何とかする!」という、強い心、そのものなのです。

これからも、お子さんたちが絵を身近において、自分の心と向き合う機会を長くつくってあげてほしいと念願しています。
各会場には、たくさんの子ども達の絵が展示されています。 一つ一つの作品に心がこもっています。 皆自己表現しています。 
子ども達の心を感じ取っていただきたいと願っています。

芸術による教育の会
代表取締役
寺尾  憲