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おかげさまで 大盛況
のべ来場者18000人!!!

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ARTKIDSEXPO2008

挨拶

2008年2月吉日
夢の実現


上野の森美術館での「第50回記念明日への手美術展」は、芸術による教育の会にとって、夢の実現でした。
超一流の美術館での児童美術展は、前代未聞の試みであり、児童美術展のすばらしさを全国に示すことができたことは、この上ない喜びです。
これもひとえに皆様方の御理解と御協力のおかげであり、心より感謝申し上げます。

丸一年かけた準備は、スタッフや教師を燃え上がらせ、日本初の試みを成功させようと、がんばりました。
そのがんばりは、限界を超え、体調不良者の続出となりましたが、最後の力を振り絞って、晴れの舞台を迎えることができました。
芸術による教育の会の教師はすごい! 改めて実感し、感動しました。
そんな教師を誇りに思っています。

一回り大きくなった教師にさらに大きな期待を抱き、各教室でのよりよい指導に結びつくことを確信しています。

これからも、芸術による教育の会の目的である、「子供達の心を育て、柔軟な思考力を育む」ことに全力でがんばる所存です。

芸術による教育の会

代表 寺尾 憲

 

記念展を振り返って
 
 

第50回記念「明日への手」美術展が終了しました。生徒や保護者の皆様をはじめ多くの皆様に支えられて大盛況の子どもアート博でした。


 振り返ると昨年の2月に上野の森美術館での開催が決まり、1年がかりの準備がはじまりました。なんと言っても、あのダリ展やシャガール展を開催した上野の森美術館です。3600人を超える子どもたちのすばらしい作品をダリ展に負けないように演出しなくてはなりません。
 そして50周年を記念する展覧会です。私たちは作品展示以外にもいくつかのお楽しみゾーンを作り、アートの森上野を満喫してもらおうと考えました。上野公園内の各施設へ企画を持ち込みました。すべての施設が興味を持ってくださいました。参加者に負担をかけないように、「各施設への入場料の無料」または「割引」をねばり強く交渉しましたが、公的機関なのでいっさいの割引はできないとのことでした。保護者へこれ以上の負担はかけられないと他の施設との企画をあきらめざるを得ませんでした。
 そういう中で浮上した企画が「公園を使ったイベントをしよう!」というものです。「1000メートル絵画」「公園クイズ」「公園のうわさ」「あまがっぱ」「野外工作」などです。美術館に何度も足を運び、公園事務所を如何に説得するかの作戦を考え公園事務所に提案しました。前例のないことなので交渉は難航しました。
 しかし、あきらめませんでした。半年以上ねばり強く交渉し、最後は「前例にはしませんよ。あくまで実験としてやってみましょう。」と言って応援してくださいました。

 それからは、「上野公園が動いた」と言うことをアピールしてスポンサー獲得に躍起になりました。本会教師のご友人が勤めていらっしゃるニシカワインフォメーションサービス様の協賛が決まり、ほとんどの掲示物および印刷物の作成を無料でご提供くださいました。
 また本会が日頃からお世話になっております、理想科学工業様、美術出版デザインセンター様、ターナー色彩様、クサカベ様をはじめ、モスト技研様、太陽精機様、ヤマト運輸様がご協力頂けることになりました。予算が苦しい中でのご支援は本当に助かりました。


 夏休みが終わり、いよいよ展覧会制作が始まり、教師たちの気持ちも展覧会一色になりました。そこで教師全員が参加するプロジェクトチームを作りました。展覧会展示、1000メートル絵画、お絵かき招待状、クイズ、工作ワークショップ、あまガッパー、研究発表、広報、オリジナルショップ、ディスプレイモニュメント制作、公園のうわさ、パフォーマンスなど各教師がいずれかのチームに配属されました。一人で複数のチームを掛け持つ教師もおりました。
 インターネットを使ったプロジェクト会議は毎日早朝から深夜・翌朝まで休むことなく議論されました。議題として立ち上がったトピック数は180個、全教師の書き込み件数は4828通に達しました。プロジェクトを成功させたい気持ちは日々高まりエキサイトしてぶつかり合うこともありましたが、会期が近づく頃にはみんなの気持ちが一心になり夢が確信へと変わりました。
 搬入と飾り付けは丸二日かかっても終わりませんでした。二日目は美術館に無理を言って夜遅くまで残り、くたくたになりながら飾り付けました。


 開催初日、本会の代表の寺尾先生が会場の作品を見て「すごい!こんなすごいとは想像していなかった。特に生徒作品の内容がすばらしい!」と感動しきりでした。教育関係者や美術関係者の方々も声をそろえて生徒作品のすばらしさを褒めてくださいました。それは私たち教師にとって何よりの励みとなりました。生徒の皆様も上野の森美術館に飾られると言うことでいつも以上に真剣に制作したからでしょう。
 一日目の来場者は3000人を超え、二日目は6000人を超えました。そして三日目はなんと8000人以上の方が来場され、延べ18000人を超える来場者であふれました。一日の平均動員数はダリ展の4000人を上回り、大記録を作りました。
 生徒のご家族とご親戚やご友人をはじめ、園長先生や校長先生、担任の先生方が大勢ご来場くださいました。お絵かき招待状でご案内しましたご来賓の方々や美術関係者、教育関係者の方々もたくさんお越しくださり励ましの言葉をちょうだいしました。上野の森美術館のこれまでの企画展とは違い、ベビーカーの赤ちゃんからお年寄りまで幅広い層の方々がお越しくださり、美術館関係者も目を丸くして驚かれ、「是非、次回もやってください。」と喜んでおられました。


 保護者の皆様からは「すごく楽しかった。」「是非またやってほしい。」「こんなに大きな会でこれだけの先生方で支えているんですね。わくわくします。」「こんなすばらしい展示、先生方大変だったでしょうね。」という成功を祝う声をたくさん頂きました。私たち教師は保護者の皆様のご理解とご支援があってこそ必死になれました。保護者の皆様の暖かい励ましがあってこそ子どもたちも真剣に展覧会制作に励みました。保護者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
 「これだけ大きなプロジェクトの企画の一員として参加できてほんとうに感動です。誇りを持って教室指導に励みます。」「ほんとうに大変な準備だったけど、生徒たちのこんなステキで誇らしい笑顔を見ることができてうれしいです。」と私たち教師も大きな自信になりました。


 残念なことは、これまでの展覧会と違い生徒や保護者の皆様との作品を見ての対話ができなかったことです。展覧会で話せなかった分を教室での指導の充実に全力でありたいと思います。
 アートは変化を恐れず変化を原動力にし、新しい未来を創造します。変化にはリスクも伴います。これまでと違うことへの不平不満や後悔が残ることもありますが、これからも新しいことへ挑戦していきます。激しく変化する21世紀を生き抜く子どもたちを育てるためにも失敗を恐れずに変化を楽しめる姿勢でありたい。これからも生徒の皆様とともに新しい扉を開きチャレンジしていきます。


 ご支援くださいました皆々様に教師一同心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

展覧会総実行委員長

屋嘉部正人