理論より感情が先。心が動く瞬間を描く美術教室の子供たち。

こんにちは。東京・神奈川・埼玉・千葉で美術教室を運営する「芸術による教育の会」ブログ担当です。

弊社では美術学校を卒業した芸術家が講師となって、専門的な技術だけでなく子供たちに表現する楽しさや、自分を愛する力を育む学びを提供しています。

今回は20年間講師を務めている三石先生をご紹介します。
 

 
三石先生は、初めて美術教室に訪れたとき、ご自身の美術への概念が覆されるほどの衝撃を受けたと言います。
子供たちのどんな力に圧倒されてしまったのでしょうか。

詳しくインタビューしていきましょう。

■「教わること」が当たり前の中で育ってきた

インタビュアー(以下、イ):はじめに、三石先生はどうして美術教室の講師になったのですか?

三石先生:大学4年生のとき、恩師から弊社のゼネラルマネージャーの屋嘉部を紹介されたことが始まりです。

まずは面接を兼ねて美術教室を見学させていただきました。
子供たちと試しにレッスンしてごらんと言われて、その時のことはいまだに覚えています。

子供たちが描く絵が、めちゃくちゃ面白かったんです。
 

(埼玉県にある、自然の中で学べる鴻巣アートの森にて) 
 
僕はそれまで学校の図工とか美術とか、教わることが当たり前と思ってきたというか。
教わることが良しとされてきた中で育ってきたので、
「なんででこんなに自由に絵が描けて、自由に表現できる子達がいるんだろう」というのが…、もう衝撃で。
 
子供たちの絵や表現力が、自分にはないものなので、敵わないなと思った瞬間にここで講師として学びたいと思ったんです。
その点ではいまだに学んでいる最中だという感じがします。

イ:子供たちの表現は、どう面白いのですか?

三石先生:やっぱり、上手く見せようとかそういう常識にとらわれていない。
例えば僕は、画の構図など、とても理論的に学んでいたんです。
こうすればよく見えるとか、こうすれば綺麗だとか。

でもここの子供たちはそうじゃなくて。
本当の表現とは、思ったものをそのまま出すということが根本にある、ということをずっと学ばせてもらっています。
それから自分が描く画も変わったのがわかりました。

イ:おお、ご自身の画はどのように変わったのですか?

三石先生:今までは堅い画が多かったんです。
抽象画というのをずっと描いていて、大人が見て良いと思う画を描いていたというか、ワクワクするかどうかっていうのはあまりなかった。
画を見る視点も「ここはかっこいいな」とか、「こうしたらもっとかっこよくなるな」とか。

しかし子供たちの作品は、そういう理論ではなくて心が動く瞬間というか感情のほうが先で、そういう子達と触れ合って自分の画も固さが取れてきた感じがします。
顔の表情まで柔らかくなったねと、よく友人に言われます。
 

 
イ:表情まで変わったというと?

三石先生:昔の僕はあんまり笑わなかった。
大人の中にいて、そんなに笑うことって無いんだと思います。
ゲラゲラ笑うとか。

子供たちと一緒にいると、みんな全身で笑ってくるからこっちも全身で笑う。そのうちに顔が柔らかくなったんでしょうね。
そういった色んな表現の仕方を今でも僕が教わっている感じです。

■子供の気持ちを、まずは素直に受け止める

イ:美術教室ではどんなことを心がけていますか?

三石先生:一番心がけていることは、自分の「こうしたい」とか「こうしなきゃいけない」という思いを押し付けずにフラットな状態で接することです。子供の気持ちをまずは素直に受け止めることを大事にしています。

それぞれの課題のねらいも大事で、会社の中で年間通したねらいを決めていて、ブレてはいけないところはありますが、こちら側がそこさえ抑えられていればあとは自由にさせたい。

今日の課題の最終着地はここでということはあまり考えず、どんな作品が出てくるだろう!?とワクワクして、その一人ひとりの答えをキャッチできるようにすることを心がけています。
 

(先生たち同士で学ぶゼミにて)
 
イ:美術教室の子供たちにはどんな特長がありますか?

三石先生:みんな面白い子ばかりなんですけど、そうですね・・・。
柔らかい子が多いです。人に対する優しさをちゃんと持っている子。
 
20年くらい見ている子でも、みんないい大人に成長している。
ギスギスした子は一人もいないですね。

イ:それは何故でしょうか。

三石先生:考え方や捉え方が寛大なんです。
「あぁ、そういうこともあるよね!」っていう言葉を当たり前に言える。

そう!それから悪口を言わないです。それは僕もびっくりします。
一見ひどいことをされても、その子を傷つけるようなことは言わない。

小さい頃は平気で言い合うんですけどね。でもそれがどれだけ傷付くかというのを、教室で学んでいるんでしょう。
成長するにつれて、小学校高学年になったらもう言わなくなりますね。

■美術は相手のことを知るためのツール

イ:三石先生にとって、芸術とは何でしょうか?

三石先生:うわ!難しい質問ですね〜。
それは「人生とはなんですか」と聞かれているようなもんですね。(笑)

僕にとっては自然に生きている一部であって、ただ芸術という言葉であえて言えば、「心の表現」。
心を表して具現化していくもの。良い思いも辛い思いも、それを形にしていくのが芸術なのではないでしょうか。

イ:今後、美術教室をこうしたいなど、展望はありますか?

三石先生:僕もこの芸術による教育の会の理念にすごく共感してこの仕事をしているので、一人でも多くの人にその思いを伝えたい。

いま目の前のワクワクをどれだけ楽しむか、ということで一日一日が進んでいます。
結果として何年後、より一層その幅が広がっていけばと思っています。
 
この会をどんどん大きくして、自分も一緒に絵かきとして成長していきたい。
子供と一緒に絵を描いて生きていきたいです。

イ:最後に、どんなお子さんにこの美術教室をおすすめしたいですか?

三石先生:一番来て欲しいのは、ワクワクしていない子。
思い切りはしゃぐことができない子です。
感情を抑えて、はしゃぎ方がわからない子っているんです。

まずは制作で表現、気持ちを出すことって楽しいよねって知ってもらいたい。
その先に、気持を認めてもらうと肯定感が出てきて、自分を愛せる子に育ってくれるので。
 
もうそういう子はじゃんじゃん来て欲しい。
恥ずかしがり屋はかわいいですよね。大好物です!(笑)

イ:そういう子も、しっかり表現できるようになるんですね!

三石先生:なります。
教室で人と仲良くなるとか、コミュニケーション能力が身につくということは特別なくて、ただし自分を認めてあげるという能力は身につきます。

僕らは仲良くしなさいということを言うわけではない。それはそれで嬉しいことですが、別に無理にこちらから言うことじゃない。

美術ってみんな自分自身と向き合う場所でもあるので、
それを先生と一緒にこの子はこういう絵を描くんだよ!そっか、そうなんだ!とお互いを知ることが出来れば、こちらが仲良くしなさいと言わなくても、人の気持ちは分かる子になるはずです。

イ:美術はお互いを知るためのツールなんですね!
三石先生ありがとうございました!
 

三石先生は、横浜を中心に、町田や相模原の教室で講師をしています!
ぜひお子様と見学にお越しください(^^)♪
 
 
また芸術による教育の会では、オンラインで美術を学べる「どこでもアートきっず」を配信しています。
30日間無料でご利用いただけて、先生たちへも質問できるようになっております。
近くに美術教室がなくても、全国のご自宅で学ぶことができます。ぜひお気軽にお試しください。
 
その他のご質問もこちらよりお気軽にお寄せください。




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