子どもの絵が 四世代を繋ぐ

先日、上野の森美術館にて自然を描く展覧会が開催されました。

芸術による教育の会では子ども部門(東京展)への参加(希望者のみ)を行なっています。そのなかに少し変わった作品がありました。

キャラクターが描かれていますが、絵の具ではなく繭玉のような丸い玉がたくさん貼り付けられて、点描のようなドットで作られています。

作者のりょうちゃんと会うことができました。私の指導している教室の生徒ではなく、ほかの教室のお子さんで、初めてお会いします。おばあさまと孫(りょうちゃん)お二人で来てくださいました。

とてもインパクトのある素敵な作品でした。どのように作られたのかお話を伺うと、おばあさまのお母様(りょうちゃんから見るとひいおばあさま)が教えてくれた丸い玉を使って作られたということでした。九州にいらっしゃるひいおばあさまが手の運動を目的として色々な色の京紙を手で丸めて絵を作っていらっしゃるそうです。それを見たりょうちゃんが是非自分の作品としてやってみたいと思い、ひいおばあさまから紙を送ってもらったそうです。ひいおばあさまもとても喜んでいるとお話ししてくださいました。

実際はすべての面を丸玉で埋めるのが完成だそうで、りょうちゃんの作品は時間がなかったから〜とおっしゃっていました。しかし、子どもの作品として見るとすべて丸玉で埋まっていないほうが抜けがあり、りょうちゃんの大切にしているもの(キャラクター)がきちんと見えてくるのですてきではないのかな、と思いまして、そのことをお伝えしました。

このお話はおばあさまがしてくださったのですが、おばあさまにとってはお母様のことで、そのお母様が嬉しそうにされていることがおばあさま(娘)にとっての喜びとして伝えてくださいました。

ひいおばあさまは90代の半ばでいらっしゃるそうで、作品作りをされていて、私にとっては祖母と同じ年代です。昨年亡くなった自分の祖母のことを思い浮かべながら話を聞きました。私の祖母はずっと元気でした。手で京紙を丸めることはできたと思います。しかし、晩年は目が見えにくくなっていましたので、描くことはできなかったかもしれません。私(孫)か娘(曽孫)がおばあちゃんのつくった丸玉で作品作りをすることはできたかもしれないな、とそんなことも思い浮かべながらとてもほっこりとしました。

一つの作品が四世代もの世代を超えて気持ちを繋ぐことを感じました。このような機会を持てたことがとても嬉しいです。

後日談がありまして、翌日お手伝いに行った教室でりょうちゃんと出会い!(教室に行くまで気がつかなかった)もう一度上野の森美術館でりょうちゃんとお母様に出会いました。8月中に3度もお会いできるなんてびっくりです!今度は明日への手美術展で会えるかな?りょうちゃん楽しみにしています!




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PROFILE

つぶつぶ先生
つぶつぶ先生
橋本円(はしもとつぶら)つぶつぶ先生です。
静岡県出身:40代
美術教室の先生として20年以上経ちました。武蔵野美術大学短期大学部(があったころ)美術科卒です。大学サークルアトリエちびくろのOGです(^^)
同郷の友人がすごく楽しそう活動しているのに魅かれてサークルに入りました。自分の思い出作りとして参加させてもらいましたが、子どもって面白い!そして、一緒に楽しむことを教えてもらいました。そのまま子どもと活動することの楽しさをもっと追求したくなり、現在も活動を続けているのかなと思います。
芸術による教育の会で子どもの指導を続ける中で、アート活動は子どもにとって大切な教育であると真剣に考えるようになりました。自分の子どもの育児においても、芸術による教育の会の理念は素晴らしく、仕事をする中で得た知識がとても役に立っていると感じています。アート活動が子どもにどんな影響がありどのように大切なものなのかを、子どもに関わるすべての大人に伝えていく使命があると思っています。