子供は親の思ったとおりに育つ

こんにちは。どこにいてもネットを通じて美術が学べる「どこでもアートきっず」、また東京・神奈川・埼玉・千葉で100を超える美術教室を運営する「芸術による教育の会」ブログ担当です。
弊社では美術という術を通して、子供たちの「失敗を恐れず前進する力」を育む教育をおこなっています。

さて、弊社のゼネラルマネージャーで長年多くの親子の形に寄り添ってきた屋嘉部は、子供は親の思ったとおりに育っていくと言います。

「この子は自分で人生をなんとかできる!」と思う親の子供はその通りに育ち、
「この子は私がいないと心配…。」という親の子供もまた思い通りに育つのだそうです。

なぜ親は「あれやりなさい」「これやりなさい」と言ってしまうのでしょうか。
そして子供の自主性を育むためにはどうしたらいいのでしょう。

屋嘉部GMに聞きました。

■子供に対する「Yes but」

インタビュアー(以下イ):子供のころ、よくゲームをしていると「宿題やりなさい」とか「明日の準備しなさい」と親に言われていたことを思い出します。
でもこれって当たり前ですよね?

屋嘉部:そういうシーンで、うちの教室の先生たちは必ず「Yes but」を使います。
ゲームをやりたいという子供の意見を一度受け入れて、そうだよね!ゲームしたいよねー!でもね、じゃあ勉強はどうしよっか?ゲームやってから勉強する?と質問を続けます。

ゲームなんてやってる場合じゃないでしょ!と言ってしまいたくなるのが一般的ですが、
良い先生はその「but(でもね)」を子供に自分から言わせてしまいます。

先生が、ゲームしたいならゲームやろう!と言うと、「でもねー、宿題やらなきゃダメなんだ〜」と子供が自分で選択するのです。
先生は続けて質問をします。「なんで宿題やらないとダメなの?」と。

子供は親が言いたいこと以上に、自分のことをちゃんと考えているのです。
何をするかを教える先生よりも、良い質問を投げかける先生が良い先生です。
良い質問を投げかけると、子供は自分の問題と向き合い、何をすべきかを自覚します。

イ:それはすごい・・・。

屋嘉部:こんな親子の会話ってありませんか?

親:「宿題やったの?」
子:「やったよ!」
親:「じゃあこれは?」
子:「それはまだだよ」
親:「遊ぶ前にやりなさい!」

1つ終わったと思ったら、また次にやらなきゃいけないことを出される。
子供は、いつまで経っても満足しません。
これは子供の問題ではなく、親の問題です。

「Yes but」といいましたが、ゲームやろっか?と聞くと、やるー!と本当にゲームをやりだす子もいます。
その時はもう腹をくくってやらせたほうがいい。
じゃあ今日はとことんゲームするか!と。

イ:なぜですか?

屋嘉部:好きなことをして満たされたら、必ず飽きるからです。

多くの場合、ゲームをやりたいというのは宿題をやらなきゃいけない現実から逃げて癒やされるためです。
その場合ある程度好きにやらせてあげると大抵は満足して飽きます。
本人が何をしたいのかというのはそれから出てくるんです。

その時についつい勉強させたいと思っているとうまくいかない。勉強をさせたいのは親の勝手です。
その気持ちはよく分かるのですが、もし子供の自主性を育みたいのであれば子供を信じることです。子供から出てくる次の言葉を待って、それを励ますという方法を取ったほうが良いでしょう。

■子供は自分の問題に自分で気がつける

屋嘉部:前に、子供を美術教室に通わせているお母さんから、息子の勉強が追いつかないので塾に通わせたいと相談を受けたことがありました。
その子が小学5年生くらいの頃でしたかね。

大丈夫、無理に行かせる必要はないと思いますよと話していたのですが、
ある日突然その子自ら塾に行きたいといい出したそうです。
なんでも、いつもテストの点で負けたことがなかった友達に成績を追い越されてしまったと。聞いたらその友達は塾に行っていた。これから中学にいくために、僕は塾で勉強したほうが良いと思うんだ!と言ったそうです。

塾だけが良いわけではありません。
ここで伝えたいことは、そうやって子供は自分の問題を自分で見つけられるということです。親が先走って焦らなくていいんですよ。

親は自分の問題と子供の問題をすり替えてしまうことがあります。
子供の成績が悪いのは親の責任だと。他の家や親と比較して自分が劣っているなどと勘違いしてしまう。成績は子供の問題のはずなのに。

■子供を通して見ている過去の自分

イ:でも、とはいえ子供の好きなようにやらせるって、けっこ〜忍耐力いりますよね?

屋嘉部:そうですね。
逆に何でも親が決めて「ああしなさい」「こうしなさい」と言っていると、自分で何かを決められない子供になってしまいます。

何を言ってもいつも親の言うことのほうが理屈が通っている。
何をいっても覆されてしまう。
段々、自分で決めなさいといっても「う〜ん…」と親が決めてくれるのを待つようになる。
親が決めてくれたら文句を言われなくて済んだ、良かったと、今度は外でもその方法を試すようになる。ぐずぐずしていた方が失敗しないから。子供は自分では決めなくなるのです。

イ:その変化は理解できますね。
では、どうしたら子供の意見を尊重できるようになるのでしょうか。

屋嘉部:あの時の自分に出会うことです。

イ:というと…?

屋嘉部:過去の自分をリセットする。
親は子供の頃から今まで、我慢してきたことがたくさんありますよね。
辛かった経験、たくさん乗り越えてきてるんです。
だからここまでやってこれたんだ、という自負もあると思います。

でも本当は「その時」は辛かったし、甘えたかったし、認めてもらいたかったし、寂しかった。
でも、親に言いくるめられて自分を抑えて我慢して大人になった。
そして、その辛い思い出を、「厳しく「時には冷たく)育てられたから、これまでやって来られた」と、ポジティブな思い出としてすり替えちゃうんです。
そして、自分と同じように我慢できなかったりする子供の姿を見るとついイラッとしてしまう。子供を通して自分の姿を見ているからです。

だから、その辛かった時の自分をリセットする。
あの頃は甘えられなかったけど、今は我慢する必要ないんだって。

イ:え…。そのリセットって、どうやってやるんですか?

屋嘉部:相手と話をすることです。
例えば、親に甘えたかったのに甘えさせてもらえなかった幼少期を過ごしてきたのなら、親と話す。
我慢してたけど、本当は辛かったんだよと打ち明ける。

嫌だった思い出って人は蓋をして思い出さないようにしているのでこれはすごく難しいことなんですけど、でも一番いいのはその相手に打ち明けて素直に話をすることです。
そして、過去の自分を自分で受け入れることができると、子供の頃の自分の素直な感情を許すことができます。
そうすることで子供の気持ちにも同調できるようになります。
そうだよね、辛いよね、本当はこうしたいよね、甘えたいんだよね、と。

これはねぇ、本当に泣いてしまう様なことですよ。
ここまで遡って、その時の自分を許すって。

イ:感情って、そんなに深いところで自分の行動に影響してるんですね。
屋嘉部さん、ありがとうございました。

 
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