絵の具の指導方法1

こんにちはつぶつぶ先生です。

美術教室ではどのように絵の具の色混ぜを教えているでしょうか。
大人が子どもにこの色とこの色を混ぜるとこうなるよ~と教える場面があると思うのですが、この教え方はすごくもったいない!と思っています。クイズの答えを先に言われてしまうようなものかな、と思います。また、正解は一つじゃないのに・・という思いもあります。

幼児クラスで初めて絵の具を使わせるとき、筆に絵の具がついて画用紙に描けるだけで子どもは感動します。次はどうなる?次はどうなる?好奇心の塊でワクワクした表情を見せてくれます。筆を洗ってから次の色だよ、と教えますが守れるのは最初だけ。色混ぜをやってみたい気持ちが先行して筆を洗うのも忘れ、次の色次の色とどんどん混ぜて「灰色か黒か茶色」のパレットの出来上がりです。ここで止めたくなる(または口を出したくなる)のが親心ですよね、びじゅつの先生は止めません。存分にやらせます。意欲を持って楽しむことが大事だと考えるからです。絵の具の使い方は毎回毎回絵の具レッスンのたびに伝えていきますから、一回で身につかなくとも何度も伝えることで身についていきます。

さあ、初めて絵の具を体験し、二回目になりました。どうなるか・・・最初から混ぜ混ぜが始まります。スケッチブックのページを何枚も替えたがる子、勝手にめくる子(笑)欲求が溢れていますので、その気持に応えてコピー紙・裏紙など用意しておき、存分にやってもらいます。

まぜまぜおててぺったん、たのしそう~。

3回目、4回目、飽きるまでまぜまぜまぜまぜ。手につけてぺた。次もペタ。また次もペタ。絵の具大好きな時期が続きます。

大人になると絵の具を混ぜることがこんなに楽しいと思えるでしょうか?汚れることも構わず目一杯楽しめるのはこの時期だけだと思います
散々楽しんだあと子どもたちは混ぜ混ぜが落ち着き、描き出します。その時を待ちながら見守っていきます。

さあ、子どもに色づくりを教える時がやっとやってきました。描きたい気持ちになった子どもはピンクってどう作るの?紫は?と質問が出てくるようになります。

先生:「そうだね~どうやって作るのかな?」

知っている子が「赤と白だよ!」と教えてくれる場合もありますし、全体が「?」になるときもあります。

先生:「じゃあ試してみよう。どうやって混ぜたらいいか見つけてみてね。」

知っている子が教えちゃう場合もあるのですが、先生(大人)が言っているわけではないので、聞いた子も半信半疑なことがよくあります。試してみることで本当にできるのかどうか自分の力で答えを出す流れになります。私達のねらいはここです。先生から教えてもらった答えの出し方をその通りにやったら正解だった、という最短ルートをたどってほしくないのです。紆余曲折ありながら、自分なりの答えを導き出してほしいと願っています。

「紆余曲折」を具体的にすると、、たとえば、混ぜてみようと思ったときに散々遊んだあとで筆や洗う水が汚れていることがあります。赤と白を試してみようと思い、白絵の具を付けてくるくるしたら最初から筆に付いていた青が混ざって水色ができちゃった、とか。赤と白を混ぜたのだけど赤が多すぎてほぼ赤、ピンクにならないとか。色をきれいに混ぜるには筆洗バケツの水が汚れていないほうがいいですし、筆を洗ったあと雑巾で水分を拭き取るなど工夫が必要です。こうするといいよ、と大人技を伝えるときもありますし、先生:「なんで色ができないのかな?不思議だね」と子どもの紆余曲折に付き合うときもあります。どれくらいのサポートをしたらよいかは子どもによってかわります。一人ひとりを見守りながら対応を変えていきます。
また、紫は赤と青を混ぜるとできると言われていますが、本当にきれいな紫は子どもの絵の具では作れません。少しくすんだ紫色になってしまいます。そのため、紫のような色合いは赤青以外の色でも作ることが出来ます。茶色のような紫を作り、「紫できた!」と大喜びする子どもの姿はよくあります。また、紫は一色とは限らず、ワイン色に近い紫、ブルーベリーのような紫、白の混ざった藤色と幅広いです。その子のお気に入りの紫を自分で見つけて行く過程を楽しんでもらいたいと考えます。

色を混ぜて変化する様子は本当にワクワクしますし、研究心や探究心といった子どもの知的好奇心を刺激します。先に答えを教えてしまっては、このワクワクを取り上げてしまうのと一緒ではないかと考えます。

色づくりは混ぜてみるだけの簡単な行為です。きれいな色になっても汚い色になってもすべて経験です。幼児期にたくさん絵の具の色混ぜを経験するとどんな成長があるでしょうか。

次回、小学生編に続きます。

さて、芸術による教育の会では展覧会シーズンが始まりました。明日、12/1より第一会場の川口展がスタートします。搬入も無事終わりました。幼児クラスはまさに絵の具まぜまぜを存分に楽しんだ結果の作品がいっぱいです。幼児から小学生、高校生大人まで成長していく子どものありのままが並んでいます。教師一同皆様のお越しを楽しみにしております。(展覧会について詳しくはこちら




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PROFILE

つぶつぶ先生
つぶつぶ先生
橋本円(はしもとつぶら)つぶつぶ先生です。
静岡県出身:40代
美術教室の先生として20年以上経ちました。武蔵野美術大学短期大学部(があったころ)美術科卒です。大学サークルアトリエちびくろのOGです(^^)
同郷の友人がすごく楽しそう活動しているのに魅かれてサークルに入りました。自分の思い出作りとして参加させてもらいましたが、子どもって面白い!そして、一緒に楽しむことを教えてもらいました。そのまま子どもと活動することの楽しさをもっと追求したくなり、現在も活動を続けているのかなと思います。
芸術による教育の会で子どもの指導を続ける中で、アート活動は子どもにとって大切な教育であると真剣に考えるようになりました。自分の子どもの育児においても、芸術による教育の会の理念は素晴らしく、仕事をする中で得た知識がとても役に立っていると感じています。アート活動が子どもにどんな影響がありどのように大切なものなのかを、子どもに関わるすべての大人に伝えていく使命があると思っています。